『頼朝と義時』(講談社現代新書)の著者で日本中世史が専門の歴史学者の呉座勇一氏が、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の放送内容をレビューする本企画。第4回目となる今回は、山木邸討ち入りに向けて戦支度を進める様子を描いた昨日放送の第4話「矢のゆくえ」について、さまざまな史料や最新の学説を参照しつつ、専門家の視点から見たみどころを解説してもらいました。 第1回:いよいよ放送開始!『鎌倉殿の13人』第1話を歴史学者はどう観たか 第2回:仲が悪いけど実は〇〇〇!?伊東祐親と工藤祐経の複雑すぎる関係 第3回:源平合戦の幕開け! なぜ以仁王と源頼政は挙兵するに至ったのか? 『鎌倉殿の13人』の第4話では、山木邸討ち入りの準備が描写された。本作の主人公である北条義時は相変わらず周囲に振り回されているものの、要所要所での説得は頼もしい。八重の貢献はフィクションだが、源頼朝たちが何らかの方法で山木兼隆の在宅