「新薬と別の従来薬を合わせると別の新薬が生まれる?」―。こんな“新薬”づくりが、大手製薬企業の販売戦略の一つとなっています。この“新薬”づくりは価格の安い後発薬(ジェネリック)の参入を遅らせる、“ジェネリック封じ”という側面も指摘されています。(矢野昌弘) 成分や製法などで特許を得た新薬は、特許の期間中、独占的に販売が認められるため、安定した利益が確保できます。 ところが、開発から20~25年ほどで特許が切れると、同種、同薬効で安いジェネリックが参入します。 臨床試験の不正で刑事事件に発展したノバルティス社の降圧剤「ディオバン」は昨年9月に特許切れ。同じ系統の武田薬品工業の「ブロプレス」も、日本での特許切れが近いとみられています。(図参照) この系統の降圧剤を販売する新薬メーカーが、2009~10年に相次いで出したのが、配合剤です。 配合剤は、「ディオバン」などの降圧剤と、利尿剤などと併せ