香港政府のトップ、行政長官を決める選挙が来月8日に行われるが、立候補者は李家超(ジョン・リー)氏一人だけ。選挙は形式だけの信任投票になることが確定した。警察官出身の豪腕トップは香港社会に安定をもたらすことができるのだろうか? 一枚岩でない香港内部を一本化 李家超氏は1957年生まれの65歳。大学に合格するも家庭の事情で進学せず、警察官となった。優秀な刑事として数々の事件の捜査にあたり、出世街道を邁進してきたという。 その道は警察では終わらず、2012年には保安局(警察を監督する政府部門、日本の警察庁に相当)副局長に就任し、官僚へと転身した。17年には保安局局長に就任。警察官出身の局長は1997年の香港返還以来初だという。 そして、2019年に始まった抗議デモでは強硬な鎮圧を指揮したことで知られる。デモ参加者からは蛇蝎(だかつ)のごとく嫌われた李だが、従来の対策では手ぬるいといらだっていた中