一冊のうちの、どちらもスゴ本。 「どちらも」という言い方をしたのには、ワケがある。 なぜなら、本書は右開きにも左開きにもなる、両面仕立てなのだ。右開きのタテ書き側は、「本の未来をつくる仕事」というタイトルで、ブック・コーディネーターとして手がけたプロジェクトが紹介されている。左開きの横書きサイドでは、「仕事の未来をつくる本」という題名で、会社を辞めてから今に至るまでの仕事のノウハウを抽出し、同世代向けへのメッセージにしている。レコードならA面B面なのだろうが、本書はどちらも「A面」であるところがミソ。 「本の未来をつくる仕事」 ≡ 「仕事の未来をつくる本」 という本書そのものが、昨今の書籍の流通・販売についての問題提起と解決事例となっているところがスゴい。「一冊で二度おいしい」というよりも、むしろ「一冊で二倍うまい」というべき。 ■ 本の未来をつくる仕事 まずは、「本の未来をつくる仕事」。