明治時代の漢文教育がどのような変遷をたどったのか。 漢文学研究、教育史研究のみならず、ひろく明治期を分析できる希少資料を編集復刻。 本集成は明治期に刊行された漢文教科書を年代で3期に分けた。 儒教主義復古から教科書検定までの期間を第Ⅰ期「初学漢文教科書編」(収録資料明治10~20年刊)、日本の漢文教育史上もっとも内容的に充実した国民教育が実施された教科書検定下の第Ⅱ期「中等漢文教科書編」(同24~34)、国語調査委員会発足後の第Ⅲ期「多様な漢文教科書編」(同32~44)と位置付け復刻する次第である。 本集成が近代日本教育史における漢文の苦闘と変遷を実見することのできる貴重資料であることは自明であるが、国内外から広く収集された作品群は東アジア漢文傑作選としても価値のあるものである。