鎌倉幕府倒幕を目指した後醍醐天皇が挙兵し、幕府軍との戦いとなった元弘の乱で焼失した笠置寺(笠置町、小林慶昭住職)の春日神社が、685年ぶりに再興されることになった。春日大社(奈良市)の式年造替に伴い摂社・本宮神社の旧社殿が移設されることになったもので、6月に御分霊が行われる。 鎌倉時代、奈良・興福寺から笠置寺に入山した僧・貞慶解脱上人、1155-1213)は春日信仰に厚く、笠置寺に春日大明神を勧請。六角堂近くに春日神社を建立したと伝わる。しかし元弘元(1331)年の元弘の乱で、幕府軍により笠置寺はことごとく焼失。春日神社もその姿を消し、再興されることはなかった。 春日大社では今年まで、20年に一度の式年造替が行われており、春日大社の摂社である本宮神社の社殿も造り替えた。春日大社や笠置寺によると、参拝の笠置町の人を通じて移設の話が出たのがきっかけとなり、鎌倉時代の絵巻物「春日権現験記」に描か