少し古い話になるが、平成28年度の吉田秀和賞に 立花隆「武満徹・音楽創造への旅」が選出された。 この本に対しては、自分の過去の日記で批判しておいた。 (「立花隆を撃つ」) http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1952690403&owner_id=3045000 この本が、「吉田秀和」の名を持つ賞に値するのか、 非常に疑問に感じた。 ただ、この賞に関しては、もともと問題があるように 思っている。 この賞の1回目に、秋山邦晴著「エリック・サティ覚え書」 (青土社、1990年)が選ばれたとき、 たまたま、この本を読んでいたので、 もう、強烈に違和感を覚えた。 「!!!!????」というくらい。 この分厚い本は、最初の数章のみ、真面目な内容で あとは、軽いエッセイがほとんどの、おおよそ 賞とは無縁の、どうということのないものだ。 それなのに、なぜ、こんなものが、賞、そ
数日前、安部公房(1924-1993)の『飢餓同盟』について少しだけ書いたが、この小説には作者自身が手を入れたと思われる異版がある。前の記事に書いたように、東京都某区の同じ区にある別々の図書館に、新潮文庫の2006年9月「第30刷改版」と、同じ新潮文庫の2011年12月「第33刷改版」で内容が異なっているのを偶然発見したので、両者を突き合わせて比較した、最初は時期的にあとの、2011年の第33刷改版の方が改訂版かと思ったが、最後まで比較を終えて得た結論は、第30刷改版の方が改訂版で、第33刷改版で初版に戻したのではないかというものだ。その最大の根拠は、巻末の佐々木基一の解説文(1970年に書かれた)に引用された、小説末尾に置かれたあるフレーズが、第30刷改版の版では別の文章に差し替えられて消え失せているからである。それが第33刷改訂の版では復活している。つまりこの新潮文庫の第30〜32刷の
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