平安時代の10世紀前半ごろに廃棄された平安京の貴族邸(京都市右京区西院南寿町)内の井戸の底から、「井」と墨書された土師器(はじき)の椀(わん)が見つかった。調査した民間調査団体「古代文化調査会」(神戸市)は、呪符(じゅふ)記号による祭祀(さいし)の跡とみている。当時の貴族が行っていた陰陽道(おんみょうどう)を含む除災・祭祀のやり方を具体的にうかがわせた貴重な遺構という。(園田和洋) マンション建設に伴い「平安京右京六条三坊二町跡」の一部にあたる475平方メートルを調査し、4棟分の建物跡が出土した。比較的身分の高い貴族邸とみられ、一緒に出た土器や瓦から9世紀前半から約100年間営まれていたことがわかった。 「井」の墨書椀は、調査地の東端の井戸の底から出土した。椀は直径13・6センチ、高さ2・6センチで、文字は外側の底の中央に書かれていた。椀の上には長辺約25センチの平たい石が数個置かれ、その
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