老朽化が進む奈良市役所本庁舎をめぐる問題は、仲川げん市長が進める耐震改修案で決着した。荒井正吾知事が推奨した平城宮跡南側の積水化学工業奈良事業所跡地への移転建て替え案はご破算となったが、県は平城京のメーンストリート「朱雀大路(すざくおおじ)」を生かした同跡地の都市公園事業計画を着々と進めている。(川西健士郎) 県まちづくり推進局によると、解体工事が進められている工場跡地4・9ヘクタールのうち、逆「L」字形の約2ヘクタールを県が買収。平城宮跡に面した北側を「にぎわい空間」、南北に延びる幅約75メートル(推定)の朱雀大路の東側を含むエリアを「朱雀大路遺構保全空間」として整備する計画だ。 残りの3ヘクタール弱は、ホテルや商業施設などを誘致する民間事業エリア。荒井知事はその一部に市役所を誘致することで、行政が率先してまちづくりの方向性を示せると考えたが、実現しなかった。しかし、積水化学工業・県・奈