■書物への愛、執念伝える 本屋というと、新刊本が並ぶ店先を思い浮かべる。しかし、江戸時代の本屋は基本的に古本屋だった。 「出版もすれば問屋にもなる。新刊も古書も売買する。本に関することは何でもするが、経営基盤は古本業務でした」 これまで注目されてこなかったその実態を、本屋の日記や同業者団体である本屋仲間の記録など多くの史料に当たって究明した。明治初期までに日本で出た「和本」の魅力を伝える著作の4作目となる。 もともと本好きで、学生時代のアルバイトは新刊書店や、出版社の倉庫係。和本などを専門とする東京・神田神保町の古書店・誠心堂書店の娘と結婚して古書の道へ。15年ほど前に大病をして、「世間の皆さんにお役に立つことをしたいと人生観が変わり」執筆に励むことになった。 和本を通じて感じるのは日本人の書物への愛だ。 「『源氏物語』がいま読めるのは、書き写してくれた人たちがいたから。しかも、後代のため
![【聞きたい。】橋口侯之介さん 『江戸の古本屋 近世書肆のしごと』(1/2ページ)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/4c8ed113675360962ce61d61b132efa2b5f87f74/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.sankei.com%2Fresizer%2Fo_9jrIDExGS5acdo8Rw3hOs1C8E%3D%2F1200x630%2Fsmart%2Ffilters%3Aquality%2850%29%2Fcloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com%2Fsankei%2FR4QAUWF255PJBPYR56M5SWGQ3Q.jpg)