気が付けば年末。例年12月は何かと忙しく、バタバタと年の瀬を迎えてしまいますが、デパート展をやめてからは年末年始はゆっくりと過ごせるようになりました。先日店に来店された、ある先生に「勉強進んでる?」と言われ、苦笑いをするのが精一杯でしたが(笑)、これからは勉強しないと…。 というわけで!?、出たばかりのこちらの本を早速買いました。 仏典はどう漢訳されたのか――スートラが経典になるとき 作者: 船山徹出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/12/19メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 仏典翻訳、漢訳についての概説書、それも翻訳学(トランスレーション・スタディーズ)という観点から見た仏典漢訳の意義を問うなど、注目すべき本です。翻訳工房ともいえる、実際の訳場は、どうなっていたのか?役割分担は?その辺から始まって、外国・翻訳僧の中国語能力はどうだったのか?鳩摩羅什や玄
『法苑珠林』(以下、『珠林』と略記)100巻は、三蔵の故実を100篇668部に分類して解説した一大仏教類書である。南北朝から隋唐に至る中国仏教文化の集大成ともいえる内容で、もはや散佚して原典をみることの叶わない多くの経論逸文を大量に保存する、極めて貴重な典籍である *1。各篇は、編目の大意を述べた述意部、諸経論より該当部分を引用して解説した引証部、そして例証となる霊験譚を集めた感応縁からなるが、この感応縁こそ同書の最大の特徴といえる。その典拠は、仏教のみならず、儒教や道教に関係する文献、史書・緯書・小説の類にまで及び、『太平広記』に先行する六朝古小説の宝庫としても大きな価値を持つ *2。 【成立の背景】 南北朝から隋唐にかけての4〜7世紀という時代は、中国仏教、ひいてはそれを原型とする東アジア仏教の基本的形式が整備された時期であるといっても過言ではない。しかし、それに至るプロセスは、三武一
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