「サルコペニア肥満とは、サルコ=筋肉、ペニア=減少という意味で、筋肉が減少することと、肥満が合併した状態を指します。高血圧になるリスクは女性で2.3倍、糖尿病につながる危険因子の値は19倍、さらに骨折や転倒、寝たきりになるリスクも格段に高まります」 こう言うのは、サルコペニア肥満研究の第一人者で筑波大学大学院教授の久野譜也(くのしんや)先生。メタボは内臓脂肪肥満に、高血圧や高血糖、脂質代謝異常のうち2つを持っている人を指すが、サルコペニア肥満はそれに筋肉の減少が加わる。最近、メタボより怖いと注目を集めているのがサルコペニア肥満なのだ。 その判断の仕方は2つの項目による。体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で算出される「BMI」と、市販の体組成計などで測れる“体重に占める筋肉の割合”だ。BMIが25以上、そして女性は筋肉率が22%未満だとサルコペニア肥満と判断される。この数字は、一見する