1995年。阪神大震災とオウム真理教による地下鉄サリン事件が発生し、教団に殺害された坂本堤弁護士一家の遺体も発見された激動の1年だった。あれから約20年。日本は何が変わり、どこへ行こうとしているのか。近著「1995年」(ちくま新書)を出版したライターの速水健朗さん(40)に聞いた。 ■気付いた変化 実は僕、95年って何かの変化の年だと思っていないんですよ。本当の変化があったのは89~91年。国外ではソ連をはじめとする共産主義陣営が崩壊し、国内ではバブルがはじけて右肩上がりの時代が終わった。でもすぐには生活って変わらない。少しずつ変わっていって、「あれ、何か変わった」と気づき始めたのが95年だった。 あのとき、震災とオウムという大事件を突き付けられて、人々は「変わったと思った何かは、これだったのか」と思った。でも勘違いなんですよ。この二つの出来事が何かを決定的に変えたわけではない。「こ