『読んでいない本について堂々と語る方法』 ピエール・バイヤール著 大浦康介訳 筑摩書房 2008年 資料番号:22254981 請求記号:019.04/55 OPAC所蔵検索 ちょっと思わせぶりなタイトルです。実際、第3章には読んでいない本について語る際の心構えが書かれていたりしますが――この本の主眼は、“読む”という行為、“語る”という行為について、いろいろな作品を事例にして考察していくところにあります。 第1章で、未読の諸段階を考察するにあたり、“全体の見通しを確保するために”いっさい本を読まない司書が登場する本が取り上げられます。仰天しながらも思い返してみると、たしかにわたしの周りにもそういう人がいました(!)が、その人が資料について詳しくないとは言えないのです。おまけに、あとがきで翻訳者が書いているように、こういった事情は社会全般に見られることでもあります。たとえば、実測しなくても
4月といえば進学・就職の季節! 神奈川県にも新採用職員が入りました。そして、新人がこの時期することといえば、研修です。神奈川県では、OJT(On-the-Job Training)で業務に携わりながらの研修も行いますが、その前に、県職員として必要なことを集中して叩き込まれる研修期間かあります。新採用職員は、一日でも早く県民の皆様のお役に立てるよう勉強しています。 そして、そんな研修カリキュラムの一つとして「図書館を活用した情報収集」と題した講義があり、見事(?)白羽の矢が立った私が、講師をしてまいりました。 こんな会場で研修は行われました。40人くらいの講座を受け持ったことは何度もありますが、この日の受講生は200人超! 初めて受け持つ大人数に、緊張して声が震えました。 さて、講義では、「県に2館ある県立の図書館ではどのように資料(図書・雑誌など)を分担しているか」「どのようなデータ
3月11日(金)午後2時46分に発生したマグニチュード9.0の巨大地震(東北地方太平洋沖地震)は、東北地方を中心に東日本に言葉に尽くせないほどの激甚災害をもたらしました。亡くなられた方々へのお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々が救済され復興に向かわれることを祈りたいと思います。 県立図書館、川崎図書館とも、その日これまで経験したことのないような揺れに襲われ、たくさんの本が書架から落下し、閲覧室と書庫に散乱しました。幸い利用者・職員に負傷者はありませんでしたが、余震も続いていたため安全確保の面から、この日は急遽閉館としました。職員も帰宅が困難となり、何時間もかけて歩いて帰ったり、それも不可能な人は仮泊しました。翌12日(土)は、県立図書館は閲覧室を一部閉室して開館、川崎図書館は臨時休館、どちらも出勤した職員が懸命に復旧作業を行った結果、本日から平常の開館にこぎつけることができまし
県立図書館の資料には、永年保存に値するものが多数あります。でも、ただそのまま置いているだけではずっとは使えません。将来の利用者にも良好な状態で提供できるようにしておくために、「資料保存」は図書館の大切な仕事の一つです。 「資料保存」には大きく分けて、【防ぐ・点検する・交換する・治す・捨てる】の5つの方法があります。今回は、その中の【防ぐ】方法についてご紹介したいと思います。 資料が傷むのを【防ぐ】には、温度・湿度など、資料のおかれている環境を整えることや、酸性紙被害の拡散防止など、いろいろあります。その一つに、ホッチキスどめされている資料を針と糸を使ってとじ直す「三つ目とじ」という方法があります。 ホッチキスの針をそのままにしておくと、長期間保存している間に錆びて、紙を汚すことがあります。また、針先で周囲の資料を傷める危険性もあります。それらを防ぐために行うのが「三つ目とじ」です。
去る1月26日~1月30日の間、県立の図書館では横浜駅西口の生涯学習情報センターにて「電子書籍を体験:見て触れて電子書籍端末で読書を」という企画展を開催しました。これは今話題の電子書籍について理解を深めていただくために、電子書籍に関するパネル展示と共に、今回ご用意した4社5種類の電子書籍端末をじかに見て触って体験していただくというイベントです。併せて、今後の図書館の姿の一つとして、ネット上で本の貸し借りと電子データでの読書ができる「電子図書館」を体験していただくコーナーもご用意しました。 私は会場の説明スタッフの一員としてこのイベントに参加しました。おかげさまで多くの皆様にご来場いただき(公式発表415人)、会場は熱心にメモを取るお客様、真剣な面持ちで端末を操作するお客様、スタッフに色々とご質問いただくお客様などで賑わい、非常に充実した5日間の開催だったと思っています。 昨年は電子書籍元年
「4万号の遺伝史-神奈川新聞120年」上巻・下巻 神奈川新聞社 2010年 資料番号:22386684・22386692 請求記号:070.67/36/1・2 OPAC(所蔵検索)上巻 OPAC(所蔵検索)下巻 最新のニュースを発信するイメージのある新聞ですが、ニュースも蓄積すれば歴史が生まれます。この歴史を基にして2010年(平成22)2月の神奈川新聞創刊120年を記念し、本書は一般の人々に広く「読まれる社史」として発行されました。 神奈川新聞の120年の歩みは、戦時中の新聞統合の始まった1940年(昭和15)を分岐点にして、横浜貿易新報に代表される戦前の50年と、神奈川県新聞から神奈川新聞という統合新聞時代を経て、戦後新生した神奈川新聞の歴史とに大別されます。神奈川県の新聞統合は1県1紙にまとまるまで難航を極めたため、「神奈川新聞」が横浜と横須賀の2ヵ所から同時に発刊され、しかも1ヵ
すでに当Webサイトでもお知らせしていますが、いよいよ1月26日(水)から30日(日)まで、横浜駅西口「かながわ県民センター」5階の生涯学習情報センターを会場として、いま話題の電子書籍を手にとって体験できる企画展示を開催します。 体験できるのは、iPad、Kindle、Nook、Readerの4機種計8台。この展示用に県立図書館が独自に電子化したコンテンツも用意しました。 私たちスタッフはいまから来場者の皆様との会話をあれこれ想像しています。「いい質問ですねぇ!」と相槌を打ったまではよいが脂汗タラタラ・・・てなことにならないように、選り抜き(?)の図書館員が説明スタッフとして目下最後の特訓中です。予算がないのでパネルなどすべて手作りのつつましい会場ですが、あとは持ち前のサービス精神でカバーします。皆様ぜひお立ち寄りください。 詳しくは http://www.klnet.pref.kanag
新春拡大スペシャル3 ビブリオバトルをご存じでしょうか。「知的書評合戦」ともいわれ、読書をスポーツ感覚でたのしむイベントです。数人の発表者(プレゼンター)が各自オススメの本を5分間で紹介した後、参加者が最も読みたい本に1票を投じ、最多得票の本を「チャンプ本」とする一種のゲームです。2007年に京都大学のある研究室で開始された試みで、近年かなりの広がりがみられ、去年11月には東京国際フォーラムで「ビブリオバトル首都決戦」(紀伊國屋書店・読売新聞社共催)も開催されました。県立図書館では職員が新たな視点で本と読書を意識し、併せてプレゼンテーション能力を高めるために、1月13日横浜・川崎の両館で職場研修としてビブリオバトルを挙行しました。その模様を実況放送風に再現してみましょう。 (横浜会場) コミッショナー(館長)の開会宣言に続き、いよいよ男女5人の戦士(プレゼンター)が武器ならぬ本を手に入場し
新春拡大スペシャル1 一昨年(2009年)の6月頃でしょうか、村上春樹の『ノルウェイの森』が映画化されるに当たり、当館(横浜の県立図書館)がロケ地の候補に挙がっているという話を聞きました。映画の関係者の話では、昔、村上春樹が当館をよく利用していたので撮影に使いたいということだったそうです。結局、時が経ち、図書館から見た周りの風景も変わってしまったのでロケには使われませんでした。監督はベトナムを舞台にした映画『青いパパイアの香り』や『夏至』で有名なトラン・アン・ユン。ベトナム出身の世界的に有名な監督です。カンヌやヴェネチアの映画祭でスタンディングオベーションのなか、撮影協力のところに神奈川県立図書館、というクレジットが流れるところだったかも、と思うと残念でしかたありません。 当館が撮影に使われないのならどこの図書館がロケ地に決まったのだろうか。素朴な疑問を持ち、ロケ地について何か情報はないか
いま話題の電子書籍。本格的な普及はこれからですが、私は一足早くキンドルを購入してみました。Amazonで本やCDをよく買っているので、アメリカで普及しているキンドルが、日本からも購入できることになって、気にはなっていたのです。これまでもザウルス、クリエ、iPod touchなど、多機能な電子デバイスを渡り歩いてきた私にとって、読書専用、電子ペーパーというシンプルさは、今までに無かった特徴です。 ただ、日本語の本は今のところ販売していないので読めません。ちょっと迷いはあったのですが、PDFファイルの日本語表示は可能とのこと。「青空文庫」のファイルをkindle用にPDF変換してくれるサイト(青空キンドル:http://a2k.aill.org/)もあるという。今は円高なので意外と安い。よし買おう。仕事のストレスがたまると、買い物の決断が早まります。 購入するには、アメリカのAmazonのサイ
毎月第2木曜日、当館は館内整理日で休館しています(紅葉ヶ丘の県立図書館も同じ)。その日の館内は、開館日にはできない本を移動する肉体労働、施設保全の工事、各種の職員研修などで、開館中とは異なった忙しさがあります。 11月11日の館内整理日には、建築の専門家を講師に迎え、建築の資料について様々なことを教えてもらう研修会を企画しました。講師をお願いしたのは、東京藝術大学で講師をしている一級建築士の赤松加寿江さんと同大学院で建築を学んでいる會田涼子さんです。今回、赤松さん、會田さんに当館所蔵の建築の本や雑誌を見ていただきました。お二方には書架に並んでいる本を確認してもらったり、書庫で古い本を見てもらったりしました。書庫の中はほこりも多いので、マスクをつけての作業になります。作業をしている職員みたいで、なんだか申し訳ない気分にもなりました。 さて図書館にある建築分野の書架を見ていただいたあとは、職員
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