“いらない本や、すっかりくたびれてもう読めないほど傷んだ本でも手放せなかった。捨てようと思って積み上げておいても、いざ捨てようとするとできないのだ。人にあげるか、寄付できればよかったが、どんなに努力してもゴミ箱に本を捨てることはできなかった” この文章に少なからず共感できる人ならば、『炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火』(スーザン・オーリアン:著、羽田詩津子:訳/早川書房)を興味深く読むことができるだろう。あるいは、 “わたしは図書館で大きくなった。というか、少なくともそういう気がしている” という文章に共感できる人も、本書をおもしろく読めるはずだ。 この本は、1986年4月29日に発生し、蔵書40万冊が焼け、70万冊が損傷した「ロサンゼルス中央図書館の大火災」という、本好きだとしても日本人にはあまりなじみのなかった事件を扱ったものだ。今までこの事件を知らなかったとしても、本書には著者
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