東京農業大生物産業学部(北海道網走市)の学生らが、道東部の風蓮湖で近年大量発生するモクズガニの商品化を目指している。道内ではほとんど流通せず、魚や漁網を傷つける「厄介者」として駆除されてきたが、廃棄野菜を餌に活用して養殖しブランド化を狙う。上田智久教授(経営学)は「マイナス同士を掛け合わせて新たな市場を生み出し、地域活性化につなげたい」と語る。(共同通信=尾崎純) モクズガニは日本各地の川などに生息し、「川ガニ」「ツガニ」とも呼ばれ郷土料理に用いられている。はさみに藻くずのような毛が生えているのが特徴で、高級食材の上海ガニと同属。東京農大が2023年、首都圏で開いた試食会では「みそが甘くておいしい」「日本酒と合う」との声が聞かれた。 地元の別海町によると、2018年ごろから大量発生するようになった。原因は不明で、2020年は約253トンを駆除した。 北海道などによると、道内では従来まとまっ