不祥事が起きた時、いかに「炎上」を最小限に抑えるか——。 筆者はネットメディア編集者として、10年近く、あらゆる炎上をウォッチしてきた。その経験から振り返ると、ここ数日話題になっている和菓子メーカー「元祖くず餅 船橋屋」(以下、船橋屋)の事例は、いいケーススタディになりそうだ。 船橋屋が炎上に至った経緯 時系列を追って説明したい。各社報道によると、船橋屋の渡辺雅司社長(当時)は2022年8月24日、東京都千代田区内で乗用車を運転中、赤信号に気付かず直進したところ、右折してきた車に衝突した。後に船橋屋から出た発表によると、事故後に警察へ届け出て、すでに和解・示談が成立しているという。 示談が済んだから、それでおしまい……ではなかった。事故発生から1カ月後、衝突された車のドライブレコーダー映像が、インターネットで拡散された。渡辺氏らしき人物が「どっからお前出てきてるんだ、この野郎!」などと怒鳴