・夏のタイムカプセル ひょんなことから出てきた可奈のタイムカプセルに詰められた「宝物」の謎を解き明かす青春短編。表紙にもなっているロリ可奈が過剰なほど現在の彼女と連続性をもって感じられて楽しい。おかげでミスリードも今の彼女があれで丸くなった姿ならありかも……と思ってしまう。 そこはやはり橙馬が「あいのぱぅわぁ」で真実を見定めてくれるのだが――本当に彼の推理が冴えた理由が贈り主の可奈への想いに対する「共感」にあったらアツいんだけどな。勝手に妄想して盛り上がっておくとしよう。 回想に頼った推理では何気なくでてきた取り止めのない記憶の方がかえって改変を受けず確実性を期待できるのも興味深かった。この話のように偽証するつもりがなくても記憶が混ざって前後関係がおかしくなる可能性はあるだろう。情報量が適度で矛盾をあぶり出しやすかったから橙馬の論理的な思考が威力を発揮した部分もあるのではないか――まぁ、思