地響きがする――と思って戴きたい。 「――君は、」 判る者には判るであろうが、地殻変動の類のそれではない。 「世界征服をどういうことだと考えるかね」 目の前に、一人の女が立っていた。 なかなかの巨体だ、と問いを投げかけた男は思う。 だが、男のその認識は間違っている。 巨体というのは、基本的に縦と横――特に縦――が揃って異様に長く、ある種の威圧感(オウラ)を放ってこその巨体であると思う。 たとえば、アンドレ・ザ・ジャイアント。 たとえば、ジャイアント馬場(マウント斗羽でも可)。 たとえば、大豪院邪鬼(初期)。 しかし、今男の目の前に立つ女は、全く縦は長くない。 横長。女性に向かって言うのもアレだが、正直べらぼうに太い。 最早ここまでくると、お世辞にも丸いとは言えない。 プッチンしたプリンと表現すればいいのだろうか。 それとも鉄人定食の中華丼の飯の盛り方、のほうが適切だろうか。 まあ要するに、