財務省が30日発表した10月28日から11月28日までの外国為替市場への介入実施状況によると、政府・日銀の介入額は9兆916億円で、1カ月の介入額としては04年1月(6兆8215億円)を抜いて過去最大となった。安住淳財務相は10月31日に円売り・ドル買いの市場介入を実施したと発表したが、その後も公表せずに介入する「覆面介入」を実施していた可能性がある。 政府・日銀は10月31日、円相場が戦後最高の1ドル=75円台前半まで高騰したことを受けて日本単独での円売り・ドル買いの介入を実施、円相場は一時、1ドル=79円台なかばまで急落した。日銀の資料から、同日の介入額は8兆円程度とみられていたが、実績はこれを1兆円程度上回った。 その後の円相場は、11月上旬にかけて1ドル=77~78円台を維持。8月の介入に比べて効果が持続したことから、金融市場関係者は「覆面介入」が実施された可能性が高いと見ている。