がんと闘いながら将棋のプロ棋士をめざしたアマチュア強豪の天野貴元(よしもと)さんが27日、亡くなった。30歳だった。「何事もあきらめない」。将棋で学んだ思いを胸に、盤に向かい続けた。 今月11日、さいたま市での大会に、車いすで出場した。全身の痛みを和らげる薬を飲み、意識はもうろうとしていた。指そうとしても指が動かせず、時間切れ負け。その日のうちに入院し、最後の大会となった。 「なにがなんでも大会に出て将棋を指したいと本人の意志は強かった」と、父親の良夫さん(67)。入院後は意識が混濁する中、時に棋譜を口にしたという。 6歳で将棋を覚え、羽生善治名人らが輩出した東京・八王子の道場で腕を磨き、10歳で棋士養成機関「奨励会」に入会。16歳でプロ四段まであと一歩の三段に。周りも「プロ入りは間違いない」と見ていた。しかし、半年で上位2人がプロになれる三段リーグ戦を勝ち抜けず、2012年3月、26歳の
![アマチュア棋士の天野貴元さん死去 闘病中も大会出場:朝日新聞デジタル](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/467975753a61cc3a886cfdaf6673bcc7ab10e566/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.asahicom.jp%2Farticles%2Fimages%2FAS20151027002888_comm.jpg)