ベーシック・インカム導入賛成派は、すべての大人に月2500フラン(約27万円)、子どもに625フランを支給することで、すべての人が人間としての尊厳を維持でき、またこの最低限の収入を基盤に、本当にやりたい仕事に就けるといったポジティブな側面を強調していた。 これに対し政府を含む反対派は、同程度の稼ぎがあった人が今後仕事を続ける意欲を失い、労働者が減少すると指摘。企業の国外移転が促され国の税収が減り、平均所得の低い国から多くの外国人がスイスに流入すると危惧した。 また、ベーシック・インカムのお陰で、(最低限の保障があるがゆえに、失業手当や子どもの教育手当てなど、多岐にわたる手当てが必要でなくなり)社会保障制度がシンプルになるという賛成派の主張に対して反対派は、財源確保のためには大幅な歳出カットや増税が必要のほか、社会保障にはベーシック・インカムではまかないきれないサービスや支援が不可欠なため、