たちまち状況は一変する。これがゲーム産業の恐ろしさだ。 1年前の5月、アメリカ最大のゲームショーE3(エレクトロニック・エンタテインメント・エキスポ)では、ソニーがPLAYSTATION 3を発表し、任天堂がWiiを発表した。このイベントには、ゲーム産業の内外から6万人以上が集まり、大いに盛り上がった。そう、ゲーム産業の未来に、誰もが希望を持っていた。 しかし、昨年のE3が終わって、状況は変化した。うっすらと心配されていた、アメリカのゲーム市場の衰退傾向が表面化。次期E3(つまり今年のE3)は小規模開催、入場者も流通関係者とプレス関係者のみに限定したものとなった。 縮小の理由は明快だ。E3を支える出展社たちが悲鳴を上げ始めたのだ。イベント出展費用の高騰である。大きなブースを組み立てるには、数千万円がかかる、それだけではない。関係者を全世界から招待し、場合によっては接待をしなければならない