十年ほど前、仕事を引退した何名かの団塊世代男性に「過去のあなたの経験を教えてください」とお願いしてみたことがある。 こうしたお願いに対し、たいてい彼らは苦労話を交えながら“武勇伝”や“成功体験”を語ってくれた。 ドラマチックで臨場感溢れる昔話を語る時の彼らの表情は、誇りにみちていた。 個人の経験談を語る時だけではなく、“昭和”“高度成長”といった時代を回想する時も、やはり自信が溢れていた。 ところが、ついさっきまで自信に満ち溢れていた団塊世代男性が、一転、自信のない姿をみせて驚くこともあった。 たとえば海外旅行の際、日本人と一緒にいる時には自信に溢れた態度をとり、奥さんや添乗員には居丈高だった男性が、自由時間になったとたん萎縮し、奥さんに頼ってしまうケースなどだ。 本当に自信が内面に蓄積しているなら、場面や状況によってそこまで態度が変化するとは思えないのだが。 氷河期世代などに比べると、団