ユピクは厳冬のシベリアからやってきた。食料に乏しいこの地では、狩人たちはシャーマンの祈祷に頼る。 シャーマンは彩色された木製の仮面を被り、狩の成就を祈願する。この儀式には獲物となる動物を鎮めるよう精霊の助けを乞うという意味合いがあった。シャーマンは村の医師でもある。病人がいれば、精霊に頼んでその人を苦しめる魔を祓ってもらう。 しかし、ヨーロッパ人がこの地を訪れた際、ユピクはキリスト教に改宗させられた。伝統的な舞踏は禁じられ、仮面もまた壁に飾られる単なる工芸品に過ぎなくなってしまった。 9. ナバホ族の神、ナイェネズガニ 1930年代、エドワード・カーティスという写真家がナバホ族のもとに滞在した。彼は死につつあった文化の記憶を保存するために、儀式に着用する衣装を写真に収めた。撮影されたナバホ族が着用していた仮面は、彼らの神々を似せたものである。 その一柱をナイェネズガニという。異邦の神々を殺
![不思議な魔力を宿すとされる、宗教的意味合いの強い10の仮面や衣装 : カラパイア](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ecce0a2515c64731d7ecabe080da182071cc06fc/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Flivedoor.blogimg.jp%2Fkarapaia_zaeega%2Fimgs%2F3%2F3%2F33493659.jpg)