語り部96歳 「恕」の経営 2007年02月15日15時36分 みなさんは、渋沢栄一をご存じだろうか。 渋沢栄一(渋沢史料館提供) 関誠三郎さん 宇井進さん 幕末から昭和の初めを生き、500もの株式会社をつくった「日本資本主義の父」である。 栄一は、会社のあり方などについて、様々な考えを披露した。村上ファンドの村上世彰(47)は逮捕される直前、「金もうけ、悪いことですか」と問いかけた。 栄一ならこう答えただろう。「悪くはないが、ルールや倫理に背かないこと」。当たり前だ、と私たちは胸を張っていえるだろうか。 ◇ 栄一の考えの語り部として、渋沢家お墨付きの男がいる。関誠三郎、96歳。首都圏で約300の事業所の食堂を運営する「栄養食」(東京、年商約50億円)の、バリバリの現役会長である。 祖母は渋沢家の女中頭、祖父は栄一の弟子。社名は、栄一の孫で戦時中に日銀総裁を務めた渋沢敬三がつけた。関は学生
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 2000年に開催された世界最高峰のヨットレース「第30回アメリカズカップ」の予選、1回戦、2回戦で日本チーム「ニッポンチャレンジ」の戦績はパッとしなかった。 予選に先立って練習試合もほとんどできず、セーリングチームが実践抜きのぶっつけ本番で挑んだことが大きかったのだろう。格闘技のようなマッチレースの戦い方に慣れない日本チームは、予選に参加した11チーム中5位くらいをウロウロするばかりだった。 その時に恐れていたのは、チームのメンバーが戦績を「こんなものだ」と思ってしまうことである。流れを変えなければ、このままずぶずぶと負けが込んでしまいそうな雰囲気だった。 幸いなことに、2回戦が終わってから3回戦が始まるまで、10日間ばかりの期間があった。私
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 1969年の今日、アポロ11号は史上初めて、人間を月面に到達させた。それから40年近くになろうとしているが、今のNASA(米航空宇宙局)でも、同じことを実行する力はなさそうである。有人月プロジェクトより、はるかに易しいスペースシャトルのプロジェクトで四苦八苦しているありさまだ。今や、2年前に2度目の有人宇宙飛行を成功させた中国の方が、米国より早く月旅行を再現するかもしれないという予想もあるくらいである。 69年当時、アポロ計画を担っていた技術者の平均年齢は26歳だったという(注1)。 アポロ計画には、ジョセフ・シェイやクリストファー・クラフトといった40歳前後の非常に優秀なプロジェクトマネジャーがいた。プロジェクトマネジャーの一番大切な仕事の
6月29日の日本経済新聞(第二部)に、ぜひみなさまにご紹介したい言葉が掲載されていましたので、恐縮ながら、たくさん引用させてください。 『日本の伝統的な組織の中で一番うまくいっていないのは、経営層なんです、間違いなく。相対的に一番うまくいっているのは現場、従業員の人たち・・・(中略) 相当、駄目になっている大赤字の会社でも現場はしっかりしていて、みんな一生懸命働いているんですね、歯を食いしばって。それに対して、中間管理職、さらには上に行けば行くほど、マネジメントがプア(=貧弱)になっていくというのが共通した構図でした。』 この発言の主は、冨山和彦さん。産業再生機構で最高執行責任者として、ダイエーやカネボウなど40を超える企業再建を最前線で指揮した方です。 私たち組織で働く人間のおそらく99%は、「上司が間抜けだ」、「会社の役員がバカばっかりだ」、「社長に危機感がない」、「上司も役員も保身に
Rich Chen(ex-Google、Hatena Inc.取締役)と「はてなの経営」について話をしていると、彼の「グローバルな発想」からいつも新鮮な刺激を受け、学ぶことが大きい。それは彼がアメリカ人だからではなく「英語圏のネット世界」に「住むように暮らしてきた」からである。日本人と日本語圏とネット上の日本語圏ってほとんど一致しているから、ネットを日常的に使うことで「世界」とか「グローバル」を実感するってことはほとんどないと思うけど、「英語圏のネット」って本当に「世界」「グローバル」への広がりを実感できる。 「はてなが仮にスケールアップできるようになったとき、エンジニアをこれからどこで採用したらいいのか」という議論でも、Richは「リトアニアかハンガリーがいいんじゃん」とか、いきなり自然体で言う。しっかりした教育を受けた優秀でやる気のある若者たちが世界中でどんどん量産され(だって皆、寸暇
谷島 宣之 日経BP総研 一貫してビジネスとテクノロジーの関わりについて執筆。1985年から日経コンピュータ記者。2009年1月から編集長。2015年から日経BP総研 上席研究員。 この著者の記事を見る
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン (第13回から読む) 2月に入ってからのある日、ボイコット組の男の子たちが店に揃っていました。 「今日はこれを片づけよう」と、倉庫の天井まで積み上がった段ボールを指さして、私は音頭を取りました。 まずは私が箱によじ登り、上から段ボールを下ろしました。箱を開け、これは店に出せるもの、これは出せないものねと仕分けを始めたんです。「じゃあオレが登ります」と、男の子たちも段ボールによじ登りました。ガムテープを引っ張りはがして、「これはどうっすかねえ」「ちょっと厳しいわね」なんてやりながら、箱を一つひとつ片づけていく。お互いを隔てていた壁が、次第に溶けていきました。 夜になってすべての作業が終わり、「いやあ、疲れたね」「のど渇きましたね」と一緒にジュー
最近はフラットになってきましたが,多くの企業では「平社員→主任→係長→課長→部長→事業部長→本部長→役員→社長」というように出世します。どの国でもこのように階段型に出世するとの固定観念があります。でもこれは日本独特!なんだそうです。 戦術(タクティクス)を掌(つかさど)る管理職は前線指揮官です。他人の感情を考慮しつつ自分の感情をコントロールするために,高い“EQ(情動指数)”が求められます。人望や人間的魅力は重要な資質です。人を通して業績を上げることが任務ですから,リーダシップが大きなウエートを占めます。伝統的組織は音頭を取ったり仕切ったり,リーダーが多いほうがうまく行きます。 翻って戦略を掌る経営職は,後方司令官です。必要なのは“IQ”,頭の良さです。経営の対象は“枠組み”です。未来,先端,外部,統合がキーワードです。経営問題の多くは未来予測であり,「好ましい未来への妨げ(問題)を如何に
Wikipediaのようなmass collaborationが製造業や既存の多国籍企業にも広がり、生産のプロセスがネットワークを介したpeer productionになるだろう、という話。コンセプトとしては新しくもないが、世界各国のいろいろな事例が出ているので、カタログとしては役に立つ。 カナダの金採掘会社Goldcorpは、その古い鉱山の詳細な3次元データをウェブで公開し、金鉱がどこにあるかを当てた人には賞金を出すコンテストを行った。世界中から多くの地質学者が応募し、新しく同定された目標の80%から金が発見された。InnoCentiveというサイトでは、企業が専門的知識の必要な問題を公表し、世界175ヶ国の9000人の科学者がそれに答える。 こうしたコラボレーションは、既存企業も変えつつある。IBMはLinux上でシステムを開発することによって、多くの外部技術者の知識を活用している
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン (第9回から読む) 年が明けると、店はもうこの商店街から無くなってしまうんだ。 年末、坂本(当時ブックオフ社長、現会長)から2号店の閉店を言い渡された私は、落ち着かぬまま元旦を迎えました。 ところがその夜、スタッフの1人から電話があったのです。「23万円売れました!」と得意気な声で「明日も頑張るから安心して休んでいいですよ」と言ってくれました。年始のお客様を接待しながらうれしさがこみ上げてきました。 予定通り正月3が日はしっかり休み、1月4日の朝、私は店に出ました。 あれ、何か違う。 スタッフが化け、店が変わった はっきりと、今までとは変わっているのです。目を凝らすと、棚に天井までぎっしり、新しい本が並んでいます。たとえば漫画のセットが増えて
職業としての「社長」を自ら選び、活躍している人をお招きし、将来、経営層を目指す人々に、ご自身の経験を語っていただくトークセッション「Road to CEO」。今回は総合スーパー、長崎屋を率いる上山健二氏をゲストに迎えた。同社は2000年2月に会社更生法の適用を申請、2002年6月に更生計画が認可され当初16年かけて更生する予定だったが、上山氏のリーダーシップのもとで2006年7月、12年前倒しで更生計画を終結した。 上山氏は、大学卒業後住友銀行に入社し、自らが融資を担当したベンチャー企業が急伸。オーナーのオファーに応える形で、そこの副社長として転職するが、オーナーによる横領事件という椿事に見舞われる。文字通り八面六臂の活躍で何とか倒産回避に成功し、その後長崎屋に転じた。いくつもの危機や逆境をくぐり抜けた、上山氏の生の言葉をお伝えする。司会は日経ビジネスオンライン副編集長の山中浩之と、インデ
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