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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/ikedanobuo (92)

  • 日中戦争とソフトパワー - 池田信夫 blog

    今年は、日中戦争の開戦からも70周年だ。これについても多くのが書かれているが、書の視点は明確だ。第1のポイントは、副題にもあるように、日軍が日清・日露戦争において短期の殲滅戦で勝ったため、消耗戦や総力戦の体制ができていなかったという点だ。 おそらく、それを認識していたのは石原莞爾ひとりだっただろう。しかし彼にとっては来るべき対ソ戦に備える橋頭堡だった満州から、南に戦線が拡大する予想外の展開になったとき、戦局は彼にもコントロールできなくなった。しかも系統的な補給を考えなかったため、南京事件のような略奪を各地で繰り返した。ここでも、「首都南京を叩けば、蒋介石は戦意を喪失して降伏する」という殲滅戦の発想が抜けなかった。 これに対して蒋介石は、南京を脱出して首都を重慶に移し、消耗戦の構えをとるとともに、南京で日軍の行なった「大虐殺」を海外にアピールする宣伝戦を展開した。この結果、それま

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    d1021 2007/08/05
    "日本軍が日清・日露戦争において短期の「殲滅戦」で勝ったため、消耗戦や総力戦の体制ができていなかったという点"
  • フラット革命 - 池田信夫 blog

    毎日新聞が、今年の正月から始めた「ネット君臨」という連載は、インターネットを既存メディアの立場から一方的に断罪するものだった。著者(佐々木俊尚氏)は毎日新聞の記者出身だが、こうした姿勢に疑問をもち、取材の過程を取材する。そこから浮かび上がってくるのは、インターネットの登場におびえ、「格上」のメディアとしての新聞の地位を何とかして正当化しようとする姿勢だ。 社会の中心に政府や大企業やマスメディアがあり、そこで管理された画一的な情報が社会に大量に流通する、というのが20世紀型の大衆社会だった。しかしインターネットでは、こうした階層秩序は崩壊し、政治家も新聞記者も匿名のネットイナゴも同格になる「フラット化」が進行している。この変化は、おそらく不可逆だろう。 マックス・ヴェーバーの言葉でいえば、政府も企業も含めた「官僚制」による合理的支配の時代が終わろうとしているのだろう。官僚制を必要としたの

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    d1021 2007/08/03
    "その先に来るのは、情報を個人が分権的に処理し、それをネットワークで流通させる社会だろう。しかし、その情報をだれが集計し、意思決定を行なうのだろうか。"
  • 日本人を差別する慰安婦非難決議 - 池田信夫 blog

    コメントで教えてもらったが、米下院会議で慰安婦非難決議が可決された。「全会一致」と報じているメディアもあるが、voice voteなので正確なところはわからない。しかしBBCやIHTの報道をみると、これまでに比べて微妙にトーンが変わり、両論併記になっている。 どちらの報道も、ラントス下院外交委員長の「犠牲者を非難する日人の態度には吐き気をもよおす」という言葉を伝えている。ここからもわかるように、彼らも文書による証拠がないことぐらいは認識しているため、元慰安婦の売春を強制されたという証言を軍が強制した証拠とすりかえているのだ。しかし「軍服のような服を着た人に連れて行かれた」といった証言は、軍の命令の証拠にはならない。当時、軍服を着た民間の朝鮮人はたくさんいたし、そもそも彼女たちは軍命の存在の証人たりえない。 彼女たちが証明できるのは、軍の許可した慰安所で売春をしたということまでである

  • 天下りは役所だけではない - 池田信夫 blog

    年金騒動の陰に隠れて、公務員制度改革はすっかり忘れられた感があるが、来は年金の名寄せなんて事務手続きの問題で、選挙で争うような政策ではない。公務員法のほうも「新人材バンク」ばかり話題になっているが、質的な問題は公務員の昇進や転職のルールである。 これは公務員だけの問題ではない。民間でも、役員が子会社に「天下り」するのは当たり前だ。さらに厄介なのは、天下りもできない窓際族だ。NHKの私の同期は、だいたい地方局の副局長ぐらいだが、仕事はといえば、地元のライオンズクラブの会合に出るとか「ふれあいイベント」であいさつするぐらいで、年収1500万円ぐらいもらっているだろう。仕事が楽で生活が安定しているという点では極楽だが、「まぁ廃人みたいな生活だよ」と同期の一人が言っていた。こういう老人の飼い殺しが、日の労働生産性を下げているのだ。 日ではホワイトカラーが専門職として生きられないため、一

  • 地デジFAQ - 池田信夫 blog

    けさの朝日新聞に、アナログ放送が止まる「2011年7月24日まで、あと4年」という記事が出ている。例によって私が、否定的なコメントをする役だ。いつもこういう所に出てくるので、テレビ局に憎まれるのだが、他にいないのだろうか。ただ、いつも同じことばかりコメントするのもいかがなものかと思うので、よく質問される「地デジのFAQ」をまとめておこう。 Q. なぜ需要予測もはっきりしないまま、あわてて地デジを始めたのか? A. アメリカが1998年にデジタル放送を始めたことから、「家電王国の日がデジタルで遅れをとるわけには行かない」という郵政省の面子で始めた。家電産業の優位を守るという産業政策の側面が強く、消費者はカラー化のときのようにHDTVに飛びつくと考えていた。 Q. 業界は反対しなかったのか? A. NHKはHDTV化を進めたかったので反対しなかったが、広告収入が増えないのに巨額の設備

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    d1021 2007/07/24
  • 池田信夫 blog 「日帝36年」の

    大澤真幸氏のような観念論でナショナリズムを語っても意味がないのは、その実態が個々のケースでまったく違うからだ。その一例が、韓国の反日運動だ。植民地が独立したとき、ナショナリズムが高まることはよくあるが、英連邦をみてもわかるように、普通は旧宗主国と友好的な関係が維持されるもので、60年以上たっても反日運動が続いている韓国は異常である。 ソウル市の南にある「独立記念館」は、韓国の小学生が必ず遠足で訪れる施設だが、日人が見たら気分が悪くなるような展示が並んでいる。日韓併合のコーナーには、抗日戦争で日兵が韓国兵を大量に虐殺する巨大な立体展示があり、歴史を追って日人が韓国人を拷問したり虐待したりする蝋人形が延々と並ぶ。このように日人に収奪された「日帝36年」のために韓国の発展は遅れてしまった、というわけだ。 実際には、むしろ20世紀初頭の韓国では「日韓合邦」を主張する民間団体「一進会」が

  • 浜岡原発は大丈夫なのか - 池田信夫 blog

    中越沖地震で衝撃的だったのは、柏崎原発で50件もの故障・破損が起きたことだ。しかも設計で想定されていたM6.5を超えるM6.8がほぼ直下で起きたとされている。テレビでは変圧器の火災が注目されていたが、危ないのは配管類だ。さらに恐いのは、制御系に問題が起きて原子炉が制御不能になることである。 今回は、さいわい地震と同時に運転が停止されたが、関係者がもっとも心配するのは浜岡原発だろう。なにしろ、こっちはM8以上の大地震が30年以内に80%以上の確率で起こるとされる東海地震の震源の真上に建っているのだから。現地のブログによれば、柏崎で観測された680ガルという加速度は、浜岡の設計値も上回るという。 当かどうか知らないが、2年前には浜岡2号機の設計を担当した東芝の子会社の技術者から、東海地震が起きると「浜岡原発は制御不能になる」というという内部告発が行なわれた。彼によれば、浜岡2号炉の耐震計

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    d1021 2007/07/18
  • 週刊誌だけがテロと闘う日本 - 池田信夫 blog

    JR東日が、松崎明をリーダーとする革マル(JR東労組)に乗っ取られている実態を明らかにした『週刊現代』の連載をまとめた。関係者には周知の事実だが、それがようやく講談社という大手出版社から出たことが画期的だ。 私の学生時代にも、私が部長だったサークル(社会科学研究会)で、革マルのメンバーが内ゲバで4人も殺された。念のためいっておくと、社研は(東大教授の)吉川洋氏も部長をつとめたアカデミックなサークルで、私自身も党派と無関係だったが、当時は革マルが駒場を拠点にしていたため、中核と革労協にねらわれたのだ。 この事実からもわかるように、革マルは内ゲバの被害者になることが多く、武闘集団としては大して強くない。その組織実態も数百人であり、資金的にも朝鮮総連といい勝負だろう。それなのにJR東日のような大企業が彼らのリンチを放置し、松崎が会社や組合の金を横領してハワイに別荘を建てるのを黙認し、そ

  • 最後のケインジアン - 池田信夫 blog

    立花隆氏が、故・宮沢元首相にインタビューしたときの印象について興味深い記事を書いている。[立花氏が]「ひと昔前なら経済財政政策は、ケインズ理論にのっとってやっていれば、まちがいなかった。だけど、いまはもうそういう時代じゃないでしょう。いまはどういうプリンシプルにもとづいて経済を運営しているんですか」 と聞いた。すると、この質問を聞くまでは、丁寧にいろんな質問に答えていた宮沢が、突然表情を変えて、キッとなった。 「いえ、ケインズ政策の時代が終わったなんてことはありません。いまでもぼくはケインズ理論が基的にいちばん正しいと思っています。ケインズに代わる理論はありません」これは1980年、前年にサッチャー英首相が就任し、翌年にはレーガン米大統領が誕生し、反ケインズ政策が流行していたときの話だ。経済学の世界でも、フリードマンの「自然失業率」理論がケインズ的な財政政策の無効性を証明し、ルーカス

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    d1021 2007/07/05
    "彼らの論敵はシカゴ派ではなく、大蔵省の均衡財政主義だった。""「円高不況」がやってきた。""バブル崩壊後の1991年に首相に就任""賢明なエリートが国民を導かなければならないというHarvey Road presumptionを信じていた。"
  • 自由の過剰な世界 - 池田信夫 blog

    finalvent氏から、拙著への書評をいただいた。彼は私と同世代なので、マルクスを軸にして私の議論を理解したのだと思うが、これは当たっている。実は私も、ドゥルーズではないが、死ぬまでにマルクスについてのを書こうと思っている(出してやろうという版元があればよろしく)。サイバースペースに見えてきた世界が、彼のいう「自由の国」に似ているからだ。 マルクスは自由の国を、労働が生活手段ではなく目的となるような世界とし、そこでは生産力は増大して無限の富が実現すると考えた(『ゴータ綱領批判』)。これは彼のユートピア的な側面を示すものとしてよく嘲笑されるが、サイバースペースでは、人々がOSSを開発するのもブログを書くのも生活手段ではないだろう。労働が目的になれば、マルクスも予言したように貨幣(賃金)は必要なくなる。またデジタル情報に稀少性はないから、「協同的な富が過剰に湧き出る」ので、財産権には意味

    d1021
    d1021 2007/07/02
    "finalvent氏から、拙著への書評をいただいた。・・・マルクスを軸にして私の議論を理解したのだと思うが、これは当たっている。""サイバースペースに見えてきた世界が、彼のいう「自由の国」に似ている"
  • 日本のインテリジェンスのあきれた水準 - 池田信夫 blog

    朝鮮総連の事件は意外な方向に発展したが、これは単なる詐欺事件にとどまらない。それよりも深刻なのは、日のインテリジェンスの水準がこの程度だということを世界にさらしてしまったことだ。 小谷賢氏によれば、日のインテリジェンスには戦前から大きな欠陥があったが、戦後むしろ状況は悪化したという。第5次吉田内閣で「内閣情報部」をつくろうという提案が出たとき、「新聞やラジオはすぐに戦争中の情報局を想定して、また報道や世論の干渉を目論んでいるのではないかと一斉に反対し」、立ち消えになってしまった(『日軍のインテリジェンス』p.216)。インテリジェンスが戦前の憲兵や特高と同一視されているため、いまだに日には総合的な情報機関がない。 特に深刻なのは、今回のような偽情報(disinformation)に弱いことだ。公安調査庁の仕事は、あまりハイテク機器が役に立たないので、古典的なhumint(要する

    d1021
    d1021 2007/06/29
    "つまり今や偽情報のほとんどは、こうした左翼イデオローグによって公然と流されているのだ。"
  • 朝日新聞は歴史認識を語れ - 池田信夫 blog

    朝日新聞東京社編集局長 外岡秀俊様 当ブログの4月1日付の記事を読んでいただいたそうで、ありがとうございます。実は、私はあなたと同い年で大学も同じで、あなたの1年後に朝日新聞から内定をもらいました。それを断ったとき、人事担当者に「去年の外岡君は文芸賞をもらったが、当社に入社した。自由に仕事ができる」と説得されたことを覚えています。そのころは私も「朝日文化人」の卵だったわけです。 そういう「進歩派」はNHKにも多く、世間で思われているほどNHKは(政治的には)保守的なメディアではありません。特に毎年8月になると、終戦記念番組で反戦平和を訴えるのが定番でした。私も1991年に終戦企画を担当し、取材班は国内と韓国で1ヶ月にわたって「強制連行」の取材をしました。当時のわれわれも「軍が朝鮮人の首に縄をつけて引っ張ってきた」という証言をさがしたのです。 しかしそういう証言は、数十人の男女の中で

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    d1021 2007/06/27
    "朝日新聞から内定をもらいました。"
  • 清く貧しく美しく? - 池田信夫 blog

    渡辺千賀さんの「日は世界のブラックホールか桃源郷か」という記事を読んで、また小姑モードでコメントしたくなった。「外貨をそれほど稼がずとも、自立して清く貧しく美しく、割と幸せに生きる」 マクロ経済素人が考えることなので、まぁダメダメかもしれないが、当にシュミレーションしてみたら面白いんじゃないかなぁ、と思うんですよね。幸か不幸か、日IT産業は、今そういうシミュレーションをやっている最中だ。特にひどいのは、渡辺さんおすすめのように世界から完全に孤立した携帯電話業界で、日メーカーの世界市場シェアは、全部あわせても(外資と合弁のソニー・エリクソンを除くと)5%ほどしかない。おかげで各社とも青息吐息で、さすがに総務省も見かねてSIMロックの規制に腰を上げた。 携帯以外の通信機器も、ながく「NTT規格」で鎖国してきたおかげで、インターネット機器は壊滅状態。今ではNTTのNGNエッジルータ

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    d1021 2007/06/25
    "携帯以外の通信機器も、ながく「NTT規格」で鎖国してきたおかげで、インターネット機器は壊滅状態。"
  • ビル・ゲイツが社会に貢献する最善の方法 - 池田信夫 blog

    Robert BarroがWSJに辛辣な批判を書いている。有料なので、超簡単に要約しておく:ビル・ゲイツがマイクロソフトを離れ、その資産を社会に還元する事業に専念することは、一般には美しい話とされているが、経済学的に考えると疑問がある。 彼がもっとも大きく社会に貢献したのは、ソフトウェアの開発・販売によってである。マイクロソフト社の売り上げは、2006年だけでも440億ドル。これは消費者が同社の製品の価値を少なくともそれと同額と評価したことを意味する。その割引現在価値を考えると――ソフトウェアを使った生産活動への貢献を無視しても――マイクロソフト社は今後、少なくとも1兆ドルの社会的価値を生み出すと予想される。 これに対して、ゲイツの個人資産は900億ドル。その90%以上を慈善事業に費やすとしても、彼がマイクロソフト社で創造できる価値にはとても及ばない。彼の財団は、貧困や感染症の問題に焦

  • 政治化するグーグル - 池田信夫 blog

    Google Public Policy Blogが公開された。ブログそのものは2ヶ月前から始まったようだ。 グーグルは、ネット中立性や電波政策についての提言を出したり、アル・ゴアをロビイストに雇うなど、政治色を強めている。これを「既存の巨大企業と同じように政治家と結びついた汚い企業になろうとしている」と批判する向きもあるが、私はネット企業が政治的発言力をもつのはいいことだと思う。 日でもっとも需給ギャップが大きい産業は、政策シンクタンクだろう。アメリカでは「第5の権力」とよばれるぐらいシンクタンクが影響力をもっているが、日では霞ヶ関が政策立案を独占し、政策を学問的に研究する機関がほとんどない。ICPFも、そういう組織をめざしているが、なかなかむずかしい。その原因は、政権交代がないこととともに、日が「格差社会」ではないため、こういう公共的な目的に金を出す大富豪がいないからだ。

  • 慰安婦問題の意見広告 - 池田信夫 blog

    もう政治的には決着したような慰安婦問題だが、まだマイク・ホンダ議員の決議案が議会に提出されていない。6/14にワシントン・ポストに出された全面広告の全文と訳がブログに出ているので、紹介しておく(一部略・修正)。事実1:日軍によって、女性が、その意思に反して、売春を強制されたことをはっきりと明示した歴史文書を発見した歴史家・歴史学者や研究機関はない。逆に、女性をその意思に反して強制して働かせることのないよう民間業者に対して警告している文書が多数発見されたのである。事実3:しかしながら、規律違反の例があったことも確かである。例えば、オランダ領東インド(現在のインドネシア)、スマラン島では一陸軍部隊がオランダ人の若い女性の一団を強制的に拉致し「慰安所」で働かせていた。しかし、この事件が明らかになった時点で、この慰安所は軍の命令により閉鎖され、責任のある将校は処罰された。これらの戦争犯罪に関与し

    d1021
    d1021 2007/06/17
  • はてなの逆淘汰 - 池田信夫 blog

    梅田望夫氏によれば、はてなの取締役会で「ネットイナゴ問題」が話し合われているそうだ。私の問題提起を受け止めていただいたようなので、参考までにこういう問題について経済学ではどう考えているかを説明しておく。 小飼弾氏のように、この種の問題を個人の「鈍感力」に帰するのはナンセンスである。それは不潔な堂が「中毒に免疫のある客だけが来ればよい」と開き直っているようなものだ。問題は個人の性格ではなく、平均的なユーザーにとってどういうことが起き、それがシステム全体にどういう影響を及ぼすのかということだ。 こういう現象は、ネットワークでは珍しくない。1970年代には、市民バンドが「誰でも参加できる無線コミュニケーション」として大流行したが、2ちゃんねるのような状態になって自壊した。TVゲーム業界で有名なのは、1980年代の「アタリ・ショック」と呼ばれる現象だ。質の悪いゲームが大量に出回ったため、消

  • 正義の罠 - 池田信夫 blog

    副題は「リクルート事件自民党――20年目の真実」。当時、取材する側だったひとりとして、リクルート事件こそ「国策捜査」の原型だ、という著者の指摘には、うなずける部分がある。 リクルートが83人もの人に未公開株をばらまいたのが「賄賂」だというのはかなり無理な解釈で、これは兜町ではごく普通の慣行だった。だから警察も立件を断念したし、検察も動かなかったが、朝日新聞が独自の調査報道で問題を発掘した。1988年9月に、リクルートコスモスの松原社長室長が楢崎弥之助代議士に現金500万円を渡して口封じをしようとした一部始終を日テレビが隠し撮りするという事件が起きて、一挙に事件化した。 その後は、譲渡先リストにある政治家や官僚などの行動を検察が洗い出し、職務権限で引っかかる者を片っ端から立件するという方式だった。しかし、このように普通のプレゼントを「後出しジャンケン」で賄賂にしたてるのは、かなり無理

  • 池田信夫 blog はてなに集まるネットイナゴ

    2ちゃんねるなどで、韓国中国を差別する連中を「ネット右翼」と呼ぶが、前にも書いたように、これは正確ではない。当ブログの記事についての反応を見ると、「慰安婦」のような話題については、たしかに賛同する意見が圧倒的だが、デジタル放送や著作権法などの話題では、むしろ反政府的な意見が共感を集める。彼らが朝日新聞を攻撃する理由は、政治的な保守主義ではなく、知的エスタブリッシュメントへの反発なのだ。 その意味で、政治的に中立な「ネットイナゴ」という言葉のほうがいい。ウィキペディアによれば、この言葉を定着させたのは産経新聞の記事だそうだ。たしかにこれはうまいネーミングで、1匹ずつは取るに足りない虫けらが、付和雷同して巨大な群れをなし、作物をい散らかす様子によく似ている。 ネット右翼のメッカが2ちゃんねるだったとすれば、ネットイナゴが集まるのは「はてなブックマーク」だ。たとえば今日の当ブログの記事に

    d1021
    d1021 2007/06/11
    "ネット右翼のメッカが2ちゃんねるだったとすれば、ネットイナゴが集まるのは「はてなブックマーク」だ。"
  • ウェブは資本主義を超える - 池田信夫 blog

    当ブログの記事をもとにしたが来週出る(アマゾンでは予約可能)。まえがきと目次はウェブで読める。 「池田信夫ブログ集成」という副題がついているが、内容の1/3ぐらいは雑誌原稿や論文で、ブログの記事もあちこちに散らばった話をまとめ、大幅に書き換えたので、当ブログの読者が読んでも損はしないだろう。世の中にウェブの入門書は多いが、書は「中級テキスト」をねらったので、「インターネットとは何か」を知りたい人には向いていないが、『ウェブ進化論』の次に読むとしてはいいと思う。 自分のを自分で書評するわけにはいかないが、あえて一言いえば、よくこんな小むずかしいブログが毎日2万〜3万アクセスも読まれるものだな、とあらためて不思議に思う。たぶん、これはブログがまだ発展途上のメディアだからで、紙媒体でいえば、昔、紙が不足していたころ『世界』などの総合雑誌が売れたのに似ているのではないか。ブログがもっと