「欧米には寝たきり老人がいない」という情報に接した時以来、本当だろうか、本当だとしたら、なぜだろうかという疑問を抱いてきたのですが、今回、『欧米に寝たきり老人はいない――自分で決める人生最後の医療』(宮本顕二・宮本礼子著、中央公論新社)を読んで、全ての疑問が氷解しました。それだけに止まらず、満足のいく最期を迎えるために、高齢者の終末医療はどうあるべきかを考える必要性に気づかされました。 欧米には、なぜ寝たきり老人がいないのでしょうか。「ヨーロッパの福祉大国であるデンマークやスウェーデンには、いわゆる寝たきり老人はいないと、どの福祉関係の本にも書かれています。他の国ではどうなのかと思い、学会の招請講演で来日したイギリス、アメリカ、オーストラリアの医師をつかまえて聞くと、『自分の国でも寝たきり老人はいない』とのことでした。・・・『なぜ、外国には寝たきり老人はいないのか?』。答えはスウェーデンで