「会長をやってほしいんです」。2022年秋、大阪府の会社役員、岩崎健一郎さん(43)はPTAの委員3人から次期会長就任への打診を受けた。突然の自宅訪問に驚いたが、これまで地域活動に携わってきた経験もあり、引き受けることにした。 ただ、頭をもたげたのが現状への疑問だった。 なんで入学したら自動的に加入する仕組みなのか? 活動に無駄はないのか? 予算の使い道は適切なのか?……。 それまで保護者としてPTA活動を見てきたが、透明性が確保されていないと思っていた。 「今のあり方には疑問しかない。それを自分の名前で踏襲することはできない」と岩崎さんは考え、PTA運営に関する本を読み込むなど研究を始め、新役員を巻き込んで改革に着手することにした。 大阪市と京都市の中間に位置する大阪府高槻市の市立赤大路小学校。岩崎さんがPTA会長に就任した23年度に始めた改革が実り、今では少数精鋭の活発な活動が展開され
