大相撲の八百長問題では、警視庁による携帯電話のメール記録解析が発覚のきっかけとなった。電話から消去された送受信履歴を復元することで、力士が勝ち星の貸し借り・売買をしていた実態のほか、取り口を詳細に打ち合わせする様子までよみがえらせた。最近は記録復元が決め手となって犯人逮捕に結び付いた事件も目立つ。水没や破壊、携帯電話を燃やしてまで証拠を隠滅しようとする場合もあるが、警察にとって今や、記録復元は欠かせない捜査手段となっている。【合田月美】 警視庁は昨年7月、賭博開張図利容疑で相撲部屋など三十数カ所を捜索。十両・千代白鵬(27)と竹縄親方(35)=元前頭・春日錦=の携帯電話を押収したが、既にメールは消去されていた。だが、警視庁は3カ月以上かけて解析、46通の記録を復元した。 ◇チップ取り出し文字列解読 犯罪立証のため、携帯電話など通信機器のデータを解析し、復元する作業は「デジタルフォレンジック