■「良い性格」も「悪い性格」も、腸内細菌が決めている 神経科学と解剖学を専門とするジョン・F・クライアン教授は、腸内細菌と脳内で起きる行動パターンには、 明確な相関性があり、腸内細菌の移植によって性格が変わる事実を突き止めた。 クライアン教授が行った動物実験によれば、サイコ・バイオティクスと呼ぶ腸内細菌は、不安やストレスへの対応力を向上させるため、生体をリラックスさせる働きがある。 クライアン教授によると、サイコ・バイオティクスは生体の行動に影響を与える可能性がある。 たとえば、腸内細菌をもたないように繁殖させたマウスは、通常の腸内細菌をもつマウスよりも、 非社会的な行動が強く、他のマウスと過ごす時間も少なくなった。 このような行動への影響は、動物の糞を別の個体に移植して腸内細菌を移す糞便移植でも見られる。 たとえば、不安傾向の強いマウスに大胆な性格のマウスの糞便微生物を移植すると、 移植