産業技術総合研究所(茨城県つくば市)と大成建設は18日、有害な飛散性アスベストを工事現場で溶かして無害化する処理技術を開発したと発表した。建物の解体や改修工事で、耐火被覆や防音材に使われた飛散性アスベストをはがし、その場で溶融処理できる。 実証実験に使用された溶融装置は、内側を金メッキした楕円(だえん)形の反射鏡に、赤外線を多く放射するハロゲンランプを組み込んでいる。粉砕して棒状に加工したアスベストを差し込むと、ランプの光が集中する位置で約1500度に加熱され、アスベストの先端がしずくのように液体となって落ちて固まる。電子顕微鏡などで確認したところ、アスベスト繊維が消失していたという。 装置は粉砕、棒状への加工など四つのユニットからなる。すべてを並べても縦9・5メートル、横7・5メートルのスペースに収まり、解体現場などに運ぶこともできる。 飛散性アスベストは現在、使用が禁止されているが、古