マグニチュード(M)9・0級の南海トラフ巨大地震について、名古屋市は3日、津波による市内の浸水面積が7673ヘクタールとする独自の被害想定を発表した。 国の有識者会議が2012年に公表した想定面積の4倍で、市全体の4分の1が浸水し、液状化現象も市の半分程度で起きるとしている。河川堤防が国の想定よりも多く壊れ、防潮壁も倒壊するとの条件を設定したため。市は3月下旬に死傷者数や建物・経済被害の想定を公表し、7月までに地域防災計画を見直す方針だ。 市の想定によると、M9の地震が起きた場合、最大震度は市南西部で7。名古屋港には足がすくわれるとされる30センチの津波が最短の1時間36分で到達し、津波の高さ(水位)は港の一部で最大3・6メートルに達する。