昔々あるところに、「リフレ派」という(自称)経済学者がいました。リフレーションというのは要するにインフレのことで、「インフレ派」というのは格好が悪いので、こういう名前にしたんだそうです。こんな奇妙な「派閥」が存在するのも日本だけで、ガラパゴス経済学の典型です。 彼らの主張は「日銀がお札を刷ってインフレにすれば、日本はデフレから脱却できる」というものです。このもとになった1998年のクルーグマン論文はなかなかよくできており、私も最初読んだときはなるほどと思ったものです。彼の論理は単純で 日本の不況の原因は「貸し渋り」ではなく、投資需要が低くて自然利子率がマイナスになっていることだ。 名目金利をマイナスにすることはできないが、インフレを起こせば実質金利(名目金利-物価上昇率)はマイナスになる。 しかしゼロ金利では国債と貨幣は同じになるので、いくら貨幣を供給してもインフレにはならない。 中央銀行
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