奈良の中心部、奈良公園に住む鹿を知らぬ人はいまい。まさに奈良の代名詞とも言える奈良公園の鹿だが、ほとんどの個体がメスだということをご存じだろうか? 更に鹿は全て天然記念物。野生なのである。今回はそんな知られざる奈良鹿について、現地からレポートしたい。 メスの数はオスの3倍以上!? まずは奈良公園の鹿、メスの数がオスの3倍も多いという噂(うわさ)の真相を探る。もし本当なら奈良公園のオス鹿はハーレム状態ではないのか? 「ええ。確かにオス鹿の数は少ないです」。あっさりその事実を認めてくれたのは、「奈良の鹿愛護会」の獣医師・吉岡豊さんだ。 同会は奈良公園の鹿の負傷救助やパトロールからオス鹿の角切りまでを行う団体で、奈良公園の鹿のことなら何でも知っているエキスパート集団といっていい。「2013年7月現在、1,094頭の鹿が奈良公園に生息しています。その内訳はオス210頭、メス736頭、子鹿が148頭