1989年に石原慎太郎が「Noといえる日本」という本を出版して非常に話題になった。その当時、日本に留学中だった私にはあまり興味の持てない内容であった。この本のなかで石原が唱える政策が有用であるとは今でも思わないが、しかしながら、今の日本には「Noといえる」精神が必要ではないかと思う。 トランプ政権は、中国がアメリカに対して執拗な敵意を持っているために、交渉相手にはなりえないという前提のもと、去年、オバマ大統領と習近平主席が合意した気候変動に関する協力関係を反故にするなど、躊躇なく挑発的な発言をしている。 アメリカのマティス国防長官は今週の水曜日に東京を訪れ、北朝鮮の脅威を名目に、日本の防衛省を訪問する予定だが、その本音は間違いなくアメリカ、韓国と日本が手を組んで中国に軍事的に対抗しようという内容であるだろう。トランプ政権が、尖閣列島と南シナ海をいつでも軍事的に対応可能な地域にしようと力を注