三重県名張市で1961年、女性5人が死亡した「名張毒ぶどう酒事件」の奥西勝死刑囚(89)が4日、収容先の八王子医療刑務所(東京都八王子市)で死亡した。 関係者が明らかにした。 奥西死刑囚は高齢に伴う体力の衰えなどで2012年6月に八王子医療刑務所に移管された。13年6月に危篤に陥って以降、予断を許さない病状が続いていた。関係者によると、今年5月の上旬頃から高熱を出すことが多くなり、8月下旬以降は特に危険な状態だったという。 確定判決などによると、奥西死刑囚は61年3月、三重県名張市の公民館で開かれた地域の懇親会で、参加者のぶどう酒に農薬を混入。女性5人を死亡させたほか、12人を中毒症状に陥らせたとして、殺人罪などで逮捕、起訴された。裁判では無罪を訴え、1審・津地裁は無罪としたが、2審・名古屋高裁は一転して死刑を言い渡し、72年6月に最高裁で、この判決が確定した。 奥西死刑囚はその後、獄中か