保育園を必要としながら入れない、働きたいと思いながら働けない、そのような女性が2万人以上もいる日本社会の現実。「子供の声」を理由に保育園新設の理解が進まないケースも出てきた。そんな現状を、保育の問題に詳しいジャーナリストの猪熊弘子氏がリポートする。 * * * 整備された静かな住宅街が広がる世田谷区。すでに開園しているところでも、「子供の声がうるさい」という近隣の苦情によって、園庭を使えるのは午前中だけと制限をしたこともある園や、窓を開けられない園もある。それは世田谷区だけではない。私が把握しているだけでも杉並区や大田区で、来年4月に開園予定だった保育園が地域住民の反対で延期になっている。 地域住民の反対で開園予定が延期になった、都内で複数の保育園を経営するある社会福祉法人の理事長はこう語った。 「反対運動はある程度予想できたんですが、予想外だったのは、そのことで工事業者の入札がなかったこ
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