PHSは携帯電話と通信方式が違うだけでなく,インフラ面でも携帯電話とは全く異なる仕組みがある。そのためPHS事業者のウィルコムは,災害時の対策や,その対応に関しても,携帯電話事業者とはかなり違ったものを持っている。 多数の基地局で負荷分散,ウィルコム同士ならNTTの通話規制も回避 通信インフラの面で,PHSが携帯電話と大きく異なっているのは,基地局からの電波の出力である。携帯電話は電波の出力が強く,1つの基地局で幅広いエリアをカバーする「マクロセル方式」である。これに対して,PHSは電波の出力が弱いことから,より多くの基地局を用意することでエリアのカバーを行う「マイクロセル方式」を採用している。 マイクロセル方式は,携帯電話に比べて同じ面積当たりの基地局数が非常に多いことから,必然的にトラフィックも分散され,1つの基地局に対する負担が低くなる。そのため,基地局に対する輻輳(ふくそう)は,携