今回も日本で動き出したスマートグリッドを含む電力システム改革について書いていく。前回、「読者の皆様には、将来、この国の現在を決めたといわれる『ようになる』であろう、この歴史的文書の全文をお読みになることを強くお薦めしたい」として、経済産業相の諮問機関のリポートを紹介した。「電力システム改革に関するタスクフォース論点整理」と名付けられたもので、多岐にわたるテーマを含む文書である。前回のコラムでは
田中氏が言及するHIS Emerging Energy Research社の調査結果によれば、自然エネルギーの導入量が太陽光発電で世界第2位、風力で第4位のスペイン(※1)などの国々が、電力供給が気象条件に左右されるという困難に直面しているのだそうです。 一方で、太陽光発電で世界第1位、風力で3位のドイツ(※1)は、全電源に占める自然エネルギーの割合が17%(2010年※2)という高水準でも今のところは問題なし。文字通り自然まかせの自然エネルギー電力の供給を、一時的に蓄えたり融通しあったりして、需要に合わせてコントロールする能力の有無が、明暗を分けているのです。また、さらなる自然エネルギーの導入を目指すドイツは、先手を打って二次電池などの蓄電デバイスへの投資を進めています。蓄電や融通体制なしに自然エネルギーへの依存度を高めるのは、備蓄なしに石油に頼るようなものなのかもしれません。 ※1 R
福島第一原発の事故をめぐって、東京電力に批判が集中している。特に深刻なのは、数兆円といわれる廃炉と損害賠償のコストである。原子力損害賠償法では1200億円までは電力会社と国の契約で賠償するが、それ以上については必要な場合に国が支援することになっている。「天災地変」の場合には免責になるが、今回の事故が免責事項に該当するかどうかについては政府首脳は否定的だ。そうすると損害賠償額が約2兆5000億円の東電の純資産を上回って、債務超過になるおそれもある。 このため、東電を解体して再編するいろいろな案が霞ヶ関で出ている。損害賠償は全額やらなければならないので、水俣病でチッソの賠償を国が支援したように、資金繰りについては何らかの公的支援は避けられないだろう。しかし経営の破綻したチッソと違って、東電は地域独占なので経営そのものは健全だ。電力供給は止められないので、会社を清算するわけにはいかない。このため
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