この米国の対応に対し、ごく最近、米側で日本の領有権支持を明確に打ち出すべきだとする意見が相次いで出てきた。いずれも民間の識者からだが、米国政府の元高官も含まれており、注目すべき現象である。 ニクソン以来「中立」の立場を貫いてきた米国政府 米国政府の尖閣問題に対する態度は、すでにこのコラムでも何回も書いてきたように、「尖閣には日米安保条約は適用されるが、主権については立場を取らない」という趣旨である。つまり主権、領有権に関しては日本と中国のどちらにも与しない中立だというわけだ。 ただし米国の歴代政権でも1950年代のアイゼンハワー、そして60年代に入ってのケネディ、ジョンソン両政権、さらには70年代のニクソン政権の当初までは、みな尖閣諸島への日本の潜在的主権、つまり「残存主権」を明確に認定してきた。尖閣諸島の主権、領有権は日本以外の国には帰属しないという認識だったのである。 それが「中立」へ
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