人気マンガ「美味しんぼ」の主人公・山岡士郎は、福島第一原発を訪れた後に鼻血を流します。実名で登場する被災地の前町長は、「私が思うに、福島に鼻血が出たり、ひどい疲労感で苦しむ人が大勢いるのは、被ばくしたからですよ」と断言します。これでは個人的な感想をもとに「福島にはもう住めない」といっているようなものですから、風評被害との抗議が殺到するのは当たり前です。
(2014年5月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 本当の地震はベルリンの壁の崩壊だった。あれから四半世紀経った今、欧州はまだ余震に苦しめられている。 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はソ連帝国を復活させたいと思っている。フランスは、再統一を果たしたドイツに支配されている欧州で四苦八苦している。プーチン氏は最終的には失敗する運命にあるが、その過程で大混乱を巻き起こせる。フランスは、欧州が今や他国のものだということを認めるよりも、むしろ我が身を苦しめている。 欧州の指導者たちは、共産主義の終焉後の生活は概ね以前と同じように続くと考えた。欧州連合(EU)は東方の新たな民主主義国を受け入れる。単一通貨はドイツマルクの優位性を薄め、ドイツを既存の欧州秩序にしっかりつなぎ止める。これが当時の話だ。 有権者が抗議票に込めた怒り 5月下旬の欧州議会選挙は、一部の興奮した見出しが語るほどのポピュ
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