(英エコノミスト誌 2014年10月25日号) ユーロ圏のデフレは、すぐそこまで迫ってきており、極めて危険だ。 世界経済は良い状態ではない。米国と英国から届くニュースはまずまず前向きだが、日本経済は苦戦しており、中国の成長率はいまや2009年以来の低さとなっている。 予測不能の危険要因があふれている。とりわけ大きなものが、西アフリカで数千人もの命を奪い、それにとどまらず世界中の人々を不安に陥れているエボラ出血熱の流行だ。だが、図抜けて大きな経済的脅威は、欧州大陸から生じている。 ドイツの成長が停滞した今、ユーロ圏は過去6年間で3度目の景気後退に入る瀬戸際にある。欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁が、単一通貨を守るために「どんなことでもする」と約束したことで猶予期間が生まれたが、各国首脳はその2年間を無駄にした。フランスとイタリアが構造改革を回避し続ける一方で、ドイツは過度な緊縮策を