「てにをは」とは助詞の古い呼び名のことです。平安時代の初期、漢文訓読の際に漢字に点などをつけていて、その四隅の点を続けて読むと「てにをは」になることに由来しているそうです。 この「てにをは」に代表される助詞は、言葉を並べて文を作るときに、それぞれの言葉の役割をはっきりさせる大事な要素です。また、使い方によっては文の意味が大きく変わってしまうこともあります。適当な使い方をしていると、作者の意図とは違う意味に取られてしまうので注意が必要です。 というわけで、ここでは紛らわしい助詞や、扱いが難しい助詞をいくつか取り上げます。 なお、ここでは助詞の前にある言葉を前項、後ろにある言葉を後項と呼びます。「○○が●●」という場合、○○が前項で、●●が後項となります。 「が」と「は」については、用法の関係上、昔からよく対比されてきた助詞です。主語と主題、排他と対比、未知と既知、現象文と判断文など、その使い