私は、昨年秋から、独立して得た自由を利用して、ギリシャ、ポルトガル、アイルランド、スペインの欧州訪問を繰り返している。1人で現地に飛び、英語と現地語を話す通訳を見つけ、一般家庭を訪問し街頭インタビューを重ねている。 知りたいのは、財政破綻した国家で「普通の市民」がどう生きているか。ここからの連載では、国際報道やマクロデータからは見えないリアルな市民生活の実像を紹介したい。 結論から先に言うと、「日本は数年先に経済的な修羅場を迎えるものの、条件付きながら、それを十分に乗り越えられること」を確信した。 まず、ギリシャ、ポルトガル、アイルランドについて見てみよう。どの国でも庶民層の二極化が顕著だ。資産形成をして1~2年の経済の修羅場をしのげる蓄えを持つ「勝ち組」と持たぬ「負け組」の差が残酷なまでに出ていた。アリ組とキリギリス組の差とでも言えようか。 1年分の蓄えがあれば、国家破綻時もしのげる 蓄
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