石川県かほく市の海岸で2011年8月、金沢市の夫妻(ともに当時23)が落とし穴に落ちて死亡した事故をめぐり、夫の両親が妻の両親と夫の友人らに損害賠償を求めた訴訟は16日、名古屋高裁金沢支部で和解した。内容は明らかにされていないが、夫の父は報道陣に「やっと終わったという気持ちです」と話した。 昨年10月の金沢地裁判決によると、会社員の出村(でむら)裕樹(ひろき)さん夫妻は落とし穴(直径2メートル、深さ2・5メートル)に落ち、崩れた砂に埋もれて窒息死した。夫の誕生日を祝おうと妻が発案し、友人と穴を掘った。判決は妻と友人6人の過失を認める一方、わざと落ちた可能性があるとして夫の過失を4割と認定。9100万円の請求に対し、4130万円の支払いを妻の両親と夫の友人側に命じた。 原告・被告双方が控訴し、内藤正之裁判長が今年3月に和解を勧告した。(新屋絵理)