シリア文化省で遺跡保存を担当する文化財・博物館局のマムーン・アブドルカリム局長(48)が15日、朝日新聞記者と会見した。過激派組織「イスラム国」(IS)による世界遺産パルミラ遺跡の破壊は中枢の神殿にとどまらず、周辺にも拡大しているとして「極めて重要な古代遺跡が消滅してしまう」と警告した。 アブドルカリム氏によると、住民の証言や国連機関の衛星写真調査で破壊が確認されたのは、①遺跡を象徴するベル神殿の本殿と列柱②バール・シャミン神殿③遺跡西側に広がる「墓の谷」の墓9カ所と塔墓④パルミラ博物館のライオン像――など。ISは博物館を監獄に変え、一部はパン工場にしているという。 シリア文化省はISがパルミラに迫った昨年5月、遺跡の元管理責任者で、世界的に著名な考古学者ハレド・アサド氏が中心となって、パルミラ博物館などが所蔵していた神像やローマ時代の胸像など約400点、陶器など美術・工芸品数百点を急きょ
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