1万人が署名。バルテュスの《夢見るテレーズ》は撤去されるべきか? メトロポリタン美術館は拒否ニューヨークのメトロポリタン美術館に展示されているバルテュスの《夢見るテレーズ》。この作品を巡り、ネット上で撤去要請の運動が巻き起こっている。 文=國上直子 ニューヨークでは、メトロポリタン美術館が保有するバルテュスの《夢見るテレーズ》(1938)の展示を巡る問題が話題になっている。 この作品は、バルテュスの近所に住んでいたテレーズという少女をモデルにしている。この絵が描かれた当時、テレーズは12歳から13歳であった。リラックスしたポーズで目を瞑るテレーズ。そのかたわら、彼女の下着が露わになっている。バルテュスは1936年から39年の間に、彼女と彼女の弟を題材に11作品を手がけており、テレーズはバルテュスのお気に入りのモデルであった。 今回の騒動の発端は、ニューヨーク在住の起業家ミア・メリルが、イン