ウクライナ南部にある旧ソ連の核基地を転用した「戦略ミサイル軍博物館」には、廃棄されたICBM「SS18」が展示されている (C)Zysko Sergii/shutterstock.com 独立後、残存する約5000発の核弾頭をロシアに搬出して非核化を実行したウクライナに、ロシアが核使用をちらつかせている。米バイデン政権は「戦略的あいまいさ」から対抗策を明らかにしないが、議会関係者からは密使を立てたバックチャンネル外交を行う案なども出されている。 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナに対して核兵器を使用したら、米国はどう対応するのか――。 ジョー・バイデン米政権の幹部はメディアからそんな質問をされても、正面から答えようとしない。だが実際には、緊張感が漲る舞台裏で、具体策を検討しているというのだ。 米国家安全保障会議(NSC)はウクライナ侵攻前に発足させた特別対策班「タイガー・チー