新型コロナウイルス感染症への対応を医学的見地から政府に助言する専門家会議で、運営の庶務を担う内閣官房が、誰が発言したのかを明記した議事録を作成していないことが分かった。主な発言を匿名で箇条書きし、これを公開している。内閣官房の担当者は取材に「委員に自由闊達(かったつ)な議論をしてもらうため」などと説明した。詳細な議事録がないことで、具体的な政策決定過程が検証できなくなる恐れがある。 専門家会議は感染症の専門家らで構成。これまでに非公開で13回開かれた。当初は「37・5度以上の熱が4日以上」としていた保健所への相談の目安や、人との接触機会の8割削減などを助言した。安倍晋三首相が、緊急事態宣言延長の意向を表明した4月30日に「専門家の意見を聞き、幅や期間を慎重に決めていきたい」と述べるなど、政策決定に重要な役割を果たしている。 首相官邸は13日現在、第4回までの内容を議事概要としてウェブサイト